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~戯語感覚~

文学、思想、そしてあるいはその他諸々

ドラマ『朝鮮ガンマン』観た。~パクユンガンの夢~➁

感想

 ユンガンはついに父を殺した銃使いがチェ・ウォンシンであることを突き止め、仇を討つためにウォンシンの館にのりこみ、彼を殺す間際まで追い込む。しかしいざ止めを刺そうとした瞬間、ウォンシンの娘・ヘウォンが父にしがみついて「父を撃つなら、私を先に撃て!」と言う。

 ユンガンは、「二人とも撃つ!」と怒鳴ったが、結局撃てなかった・・・ユンガンはヘウォンの自分に対する好意を知っていたのだろう。ユンガンは事前に彼女が館から離れるような細工をしていたから。

撃ち殺して仇を討つことを諦めた彼は、ウォンシンを役所に突き出す。後はそこで事の真相をを自白すればすべてが解決する、するはずだった・・・

 

 だが、そうすんなりとはいかなかった。

ウォンシンは、事件のことなど全く知らないと白を切った。自白は銃で脅されたもので事実ではないという。そればかりか、逆に「ユンガンを大逆罪で捕まえろ!」と抵抗する。ここでも守旧派の秘密結社〈スホゲ〉(守護契)が裏工作し、ユンガンは逮捕されてしまう。

 

 王の法廷にウォンシンとユンガンの二人が立たされ、証人尋問が行われる。

最初の証人は自白の現場を目撃していたヘウォン。彼女は父親と愛する男の間で揺れ動く。しかし結局ヘウォンは父を取る。自白は銃で脅迫されたものだと証言してしまう。他の証人もスホゲの脅迫で偽証してしまう。王はうろたえる。しかし守旧派の官僚たちは「秩序を守るべきだ」と王に言い寄る。

その圧力に屈し、ついに王高宗はウォンシンを無罪放免にしユンガンには「斬首刑」を宣告してしまう。

 

 刑が執行される当日、刑場へと送られるユンガンの護送車が何者かに襲われる。そしてユンガンは救け出される。彼を救出したのは他ならぬ彼に死刑を言い渡した高宗自身だった。高宗は、ユンガンをこのような形でしか救けられなかったことを詫び、「共に行動してほしい」と言う。しかしユンガンの中で王に対するかつての忠義心はもう消え去っていた。

「父を殺した銃使いが悠々と義禁府から出ていき、私が斬首刑を宣告された時、もう希望は捨てました。王様と国法に懸けた最後の望みまですべて」 

 

 王のもとを去り再びユンガンは、父を陥れた黒幕が誰であるかを捜索する。大臣を拉致し問い詰めついに黒幕がスホゲの首領・キムジャヨン大提学であることを知る。

 キム大提学を捕まえる前に、宿敵ウォンシンを崖に追い込み撃ち殺し復讐のひとつを果たすのであるが、ユンガンの心は満たされなかった。あれほど強く願っていた復讐だが、いざ果たしてみると虚しさだけが残るのだ。

 それに父ウォンシンを失った娘ヘウォンが、今度は自分が親の仇を討つ番だと、ユンガンを殺すと迫ってくる。

 ユンガンは復讐は復讐を呼んでしまうことに気づく。復讐に対するユンガンの考えが徐々に変わってくる。

 

 同時にこの頃、「奴婢」という存在に彼は目を向けるようになる。当時「奴婢」は両班の所有物であり、物言う道具であった。彼らは家畜のように扱われ、売買され、土地と並ぶ財産となってなっていた。

 きっかけは、妹のヨナが彼の不在の3年間奴婢として扱われ、清に売られそうになったことや、家女で逃げ奴婢だったジェミが元所有者両班に連れ戻されて虐待を受けているのを目の当たりにしたことである。そのジェミを救出するためにユンガンは銃を持つ。大臣宅にのりこみ虐待されていた奴婢を全員解放する。縛られた強欲な大臣は「たかが奴婢のためにつまらぬことはよせ!こいつらは恩も知らない動物なのだ。無知な獣たち!!」と言って憚らない。

 それを聞いたユンガンは

「黙れ!人を物や動物のように扱うお前こそ、大臣だと思うと恥ずかしい限りだ」と一喝し、奴婢証文を焼いてしまう。

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(奴婢たちを私刑する両班の大臣 私刑は罰せられなかった。)

 

 ユンガンは復讐のために使われる銃よりも、困っている人々のために使われる銃の方が喜びが多いことに気づく。この発見は後に、両班が支配している世界を変えていくという金玉均の構想と響き合うこととなるのである。

 

                -次回に続くー