~戯語感覚~

文学、思想、そしてあるいはその他諸々

『22世紀の民主主義』成田悠輔著を読んだ

いま話題の、というか、ただいま絶賛炎上中○□メガネでお茶の間を賑わしているイェール大学助教(授)の成田悠輔氏の『22世紀の民主主義』を読みました。 高齢者自決発言で良識ある市民や素晴らしい見識と高潔な倫理もお持ちの学者やインテリさんたちからもほぼ…

2022年さようなら、2023年こんにちは。

三度のデジャブです。 取り敢えず更新して内容は後で書きます!

2021年さようなら、2022年こんにちは

デジャブのようなタイトルで申し訳ない。 まだ、体調が万全でない。 令和という年号は、私と相性悪いようだ。 いっそ改元してくれないか、コロナという災悪もあったし… というわけで、昨年掲げた抱負は来年も有効のままだ。 やるとすれば、当然アナーキスト…

2020年さよなら、2021年こんにちは。

2020年今年、最初にして最後のブログ更新。 令和に元号が変わってから、ずっと体調が良くない。 で、更新も停滞してしまった。 段々、回復してきてるが、まだ長時間パソコン使う元気がない。 というわけで、手短に(元気になるであろう)来年の抱負を書いてお…

二つの言葉  ~映画『金子文子と朴烈』観た~

今から93年前の1926年の2月26日 一人の女性が、市ヶ谷刑務所の独房で次の文章を書き上げた(長いので最後の部分だけ引用する)。 「・・・私は朴を知って居る。朴を愛して居る。彼に於ける凡ての過失と凡ての欠点とを越えて、私は朴を愛する。私は今、朴が私…

(平成最後の)来年の抱負など・・・

いよいよ年末である。 このブログ始めて3回目の年越しである。 ということは、過去2回「来年の抱負」などと称して、記事を書いてきたことになる。 だが、しかし!!! これまで、その《抱負》なるものを実現させたことが一度もない!!! これは誠に由々しき…

好きなお笑い② ~お笑い今昔物語~

中学に入ると、AM深夜放送にはまった。 夜10時くらいからヤンタンを聴き、深夜1時からはオールナイトニッポンを聴いた。 ぼくが聴いていた頃のレギュラー陣はMBSヤングタウン月曜日が明石家さんま&長江健次、火曜日チャゲ&飛鳥、水曜原田伸郎&北野まこと…

好きなお笑い ①  ~お笑い今昔物語~

子供の頃、《漫才ブーム》なるものが起こった。 毎日どこかのテレビチャンネルで漫才をメインとするお笑い番組を放送していた。 今でも有名なのは『THE MANZAI』だろう。 横山やすし&西川きよしを筆頭に東はB&B,ツービート、西はザ・ぼんち、紳助・竜介、西…

都出比呂志『古代国家はいつ成立したか』読んだ。

この本では、弥生時代⇒古墳時代⇒律令国家という推移を追いながら、どの段階で初期国家が成立したのかを見定めようとしている。 ・弥生時代 この時代は、かつて私の学生時代の教科書に書かれていた内容よりも更に500年ほど遡ってBC1000年から弥生時代が始まっ…

若林幹夫『都市への/からの視線』読んだ。

プレモダンからモダンへ 《近代化》と《都市化》は別の概念であるが、都市という場所は近代化を考えるのに最上の舞台を提供してくれる。もちろん、都市は近代だけのものではない。古代にも中世にも都市は存在した。しかしそれら近代以前の都市と、近代以降の…

《さまざまな箱男》   

小説『箱男』の発想は、作者の安部公房が実際に目撃した一人の実在の浮浪者に由来している。東京上野で行われた浮浪者取り締まりを見物に行った際、上半身がすっぽり入るくらいの段ボール箱を被っている浮浪者を見かけた。取り締まっている警察官たちは、そ…

《箱男》のいるところ。 ~箱男を救済せよ!~

『箱男』は学生時代から何回も読んできた。 安部公房の小説の中では、『砂の女』、『他人の顔』、『燃えつきた地図』と並ぶ傑作だろう(『終りし道の標べに』『けものたちは故郷をめざす』などの実存シリーズを除けば。) 箱男にはいろいろ書きたいことがあ…

吉田孝『日本の誕生』を読んだ。ー国制と国号とー

岩波新書の『日本の誕生』吉田孝著を読んだ。 この本のタイトル『日本の誕生』に、著者は二つの意味を持たせている。 一つは、国制としての日本の誕生、 そしてもう一つは「日本」という呼称・国名の誕生である。 著者はこの国の基本的な国制・文化、すなわ…

好きな音楽  -アジア編③-

書こうか書くまいか迷ったが、一応(というか確実に)日本もアジアの一国なので、 日本編行きたいと思いまする!ここ最近、気に入って聴いているバンド紹介しまっす。 ・日本 1.ハイスイノナサ youtu.be もともと5人編成のバンドだったけれど、Voの鎌野愛 が…

好きな音楽   ーアジア編②ー

・マレーシア 1.Dirgahayu youtu.be メンバーはGt,Afifi Rahim, もう一人のGt.Zulhezan Ba.Wan Azry このPVでは2016年末に脱退したDrのSeikan Sawakiが叩いてます。名前でお分かりの様にこのドラマーさん中華系マレーシア人と日本人のハーフなんだそうです…

好きな音楽   ーアジア編①ー

昔から(たぶん日韓ワールドカップの頃)、K-popはよく聴いてました。 当時は、今と違って両国の関係はとても良かった。 それがほんの数年でこんなにも悪化するとは思いもしませんでした。 しかし!!! なんか最近若い人の間で第3次韓流ブームが起こってるら…

『戦争の日本古代史』読んだ。ーヘイトの淵源ー㊦

3.〈任那を巡る攻防〉 6世紀に入ると、これまで高句麗に従属していた新羅が独立して半島の覇権を奪取しようとしだす。新羅は百済と同盟を結んで伽耶(任那)に侵攻した。こまった伽耶諸国は倭に援けを求めた。倭は対新羅軍を派遣しようとしたが、新羅と通…

『戦争の日本古代史』読んだ。ーヘイトの淵源ー㊤

講談社現代新書の『戦争の日本古代史』(著・倉本一宏)読みました。 昨今、日本で問題となっているヘイトスピーチ。 差別は以前から確実に存在した。ただそれは一応潜在的なもので、人前で公然と顔を晒して大声でやる者はいなかった。それがここ10年位で風…

来年の抱負などなど

実は『戦争の古代史』(講談社現代新書)のレビュー書こうと思ったんですが、食あたりにあってしまい、体力的にしんどいのでレビューは来年に譲って2018年の抱負などサラッと書きたいと思います。 『戦争の古代史』もそうなんですが、来年は日本・韓国・中国…

おちゅーんLive!『烈戦ピン下一武道会』観てきた!!!

たびたび当ブログでも取り上げている配信番組『おちゅーんLive!』 その公開収録《烈戦ピン下一武道会》を大阪・肥後橋にあるアワーズルームにて観てきました。 ピン下一・・・? イベントが行われたのは、11月11日。 そうポッキーの日、否、否、否、ピン芸人…

『儒教と中国ー「二千年の正統思想」の起源』読んだー㊦ー

・〈魏の正統性と鄭玄〉 新たに出現した「名士」たち。貧しい出身であっても人物が評価されれば「名士」になれ、その評価を基に行く行くは貴族にもなれるという道が開けた。それは当然、社会に流動性を生み出す。豪族たちは経済力ではなく、学問を修めさまざ…

『儒教と中国ー「二千年の正統思想」の起源』読んだー㊥ー

前回は「新」王朝まで書いたが、今回はその続きの後漢時代以降について。 王莽が讖緯思想を使って王権を奪取したように、光武帝・劉秀も讖緯思想、とりわけ図讖と呼ばれるものを重視した。図讖とは、龍や亀が背負って示したという聖なる図のことである。劉秀…

『儒教と中国ー「二千年の正統思想」の起源』読んだー㊤ー

この本が扱っているのは、前漢・新・後漢・魏(三国時代)・晋・南北朝時代の約5~600年間の出来事である。この期間にいかにして儒教が、王朝の正当化に資する理論となり、国教となり、仏教によって相対化されるようになったかの変遷を、儒教の諸テキストの盛…

前漢・新・後漢・魏・西晋・東晋 皇帝一覧表

次から書く記事のために、中国の漢・魏晋南北朝時代の皇帝一覧表を予め載せておきます。(以下ウィキペディアからの引用です。) 前漢太祖(劉邦、在位紀元前206年 - 紀元前195年)恵帝(劉盈、在位紀元前195年 - 紀元前188年)少帝恭(劉恭、在位紀元前188…

加地伸行『儒教とは何か』読んだー㊦ー

〈経学の時代 下〉 ・三教時代 儒教は、原儒時代の淫祠邪教的な宗教性を抑圧し、脱魔術化して礼教性を高め、経学という新しい学問を起こして時代のニーズに応えた。儒教が国教化した漢代は、また同時にいかがわしい怪異の流行した時代だった。脱魔術化した儒…

加地伸行『儒教とは何か』読んだー㊥ー

この『儒教とは何か』という本は、中国における儒教の発達・発展を以下のように時代に沿って4段階に分ける。 ⑴:原儒時代 前6世紀以前 ⑵:儒教成立時代 前6世紀~前2世紀 ⑶:経学時代 前2世紀~20世紀 ⑷:儒教内面化時代 現代~未来 前回書いた分は、⑴と⑵に…

加地伸行『儒教とは何か』読んだー㊤ー

この本を読んで、仏教プロパーだとずっと思っていた物事が実は儒教に由来していると知って驚いた。例えば、「墓」。仏教では骨は単なるモノにすぎないから特別埋葬もせず、拝みもしない(まあ仏舎利という例外もあるが)。儒教においては頭蓋骨が特別の意味…

初期議会  ~日清戦争への道➁~

◎第5回帝国議会 ( 1893年(明治26年)11月28日 - 1893年(明治26年)12月30日) 星亨・衆議院議長 不信任決議案可決⇒しかし居座る 与党化した自由党VS野党硬六派の対決 (硬六派:立憲改進党 自由党との民党連合がうまくいかなかったため対外硬派に転向 東洋…

初期議会  ~日清戦争への道①~

第1回衆議院選挙 (1890年 (明治23年) 7月1日) 山県有朋内閣(1889年(明治22年)12月24日 - 1891年(明治24年)5月6日) 議席:立憲自由党(板垣退助) 130議席 民党 大成会(増田繁幸) 79議席 吏党 立憲改進党(大隈重信) 41議席 民党 …

~核時代のトリックスター~

「あさま山荘事件」をご存知だろうか? リアルタイムに知らなくても、よく戦後重大事件史とか、昭和10大事件簿みたいなタイトルでテレビの特番が組まれて、この事件は必ず採り上げられるのでテレビをよく見た世代の人なら知らない人はいないだろう。 連合赤…